経営者の輪Vol.99 「俵山商店 俵山 英明さん」伊勢崎市宮子町

Vol.99 俵山商店 俵山 英明さんの巻

今回は、伊勢崎市宮子町にある「俵山商店」の俵山英明さんをご紹介します。

プロフィール

俵山 英明(たわらやま ひであき)さん。 昭和39年2月9日。

伊勢崎市宮子町出身・在住。

俵山英明さんは、市内宮子町で酒類や雑貨販売を営む俵山商店さんの4代目。創業130年の歴史を誇る同店を任された責任や伊勢崎を盛り上げる取り組みについてお話いただきました。ちょっぴり意外な(?)一面も奥様から伺いましたよ。

明治創業の老舗期待の4代目

ベイシアモールの1本南側の通り。店頭に下がったまぁるい杉玉が目印の俵山商店さん。ここに新しく店舗を構えたのは平成6年の12月からですが、歴史は古く明治時代に遡ります。

「130年前、曾祖父が『マルカ俵山商店』の名で酒の量り売りを始めたのが始まりだったと聞いています」と話すのは、4代目の俵山英明さん。当時、お店があったのは現在の店舗から100メートルほど離れたところでしたが、周りには八百屋さん、米屋さん、魚屋さん。俵山商店さんでは生もの以外の食品なども随分扱っており、お客さまから喜ばれていました。そんな中で4代目にあたる俵山さんの誕生は、家にとってはもちろん、ご近所やお客さまにとってもうれしい出来事でした。

「小さいころから祖父母や両親がいろいろな人に『跡取りができて良かったね』と言われているのを聞いていましたから、誰に強制されるでもなく自分が店を継ぐんだなと漠然と思っていました」と俵山さんは当時を振り返ります。

コンテストで入選の経験もカメラに夢中の高校時代

幼いころから漠然とながら、将来像を描いていた俵山さんですが、表面上はもちろんほかの子どもと変わりません。小学生時代は、友だちとクワガタや魚とりをしたり、草野球をしたり、と元気いっぱい。

高校時代には、スーパーカーブームが到来。憧れの車をカメラで撮るうちに写真の面白さに目覚めて、写真部に入部します。だんだん人を撮るのが楽しくなって、クラスメイトや部活動の大会に出場している友人を随分撮ったと言います。

人の面白さは、カメラを向けたそのときではない、と俵山さん。
「レンズを向けたとき、人はちょっと構えるというか、すましてしまうところがあるんです。そのタイミングを少しずらす。例えば、1枚撮り終えて表情がふと緩んだときにもう1度シャッターを押す。そうすると、自然なその人らしい表情がおさめられるんです」

撮った写真は、木のパネルに入れてプレゼント。今のようにデジカメでパパッと撮ってサッとプリントできる時代とは違います。随分喜ばれたはずです。当時は、市民展や新聞社主催の写真展などのコンテストにも出品。入選して前橋の西武デパート(今はなし)に友人のポートレートが飾られたこともあった、というからその腕前は相当なものだったに違い有りません。

会社勤めを通じて両親のすごさを改めて実感

経営者を意識して、大学時代は経営学を専攻。尊敬する先生にも巡り会え、主に飲みに連れて行ってもらう先でいろいろな話しを聞いた、というあたりは「酒屋」の跡取りに相応しいエピソードです。

 卒業後は、酒類を扱う問屋に入社。商品配達を通じて商品知識を身につけました。実家である「俵山商店」さんと同じような形態の酒屋さんを何軒も担当しては、1升ビンが10本入った重い木箱を配達する毎日。問屋の社員として実家の店舗を見たとき、改めて自分の両親の偉大さに気づいた、と俵山さんは話します。

「両親揃って朝早くから夜遅くまで店で働いていましたから。特に母は、きょうだい3人のお弁当を毎日作ってくれて。本当にすごいと頭が下がりました」

その3年後、俵山商店の4代目として店に入った俵山さん。最初にしたことは、地域を知ることでした。

「ここで生まれて育ったとはいえ、大学時代~会社員時代は地域とのかかわりを持つことができませんでした」と俵山さん。自分の目で地域を知りたい、と店で働く傍ら、夏と冬は宅配便のドライバーというアルバイトを始めました。短期の予定で始めたドライバーですが、お客さま先からも重宝がられ、今でも続けているとか。「店に寄ったお客さまから道を尋ねられても瞬時に対応できるから便利です」とニッコリ微笑みます。

新しい伊勢崎名物オリジナルの日本酒「伊勢崎」を仲間と手掛ける

俵山商店には、さまざまなお酒が並びます。特に日本酒のこだわりはかなりなもの。

「店頭で扱う酒は自分で試して納得したものばかり」と俵山さん。時には、酒蔵まで直接出向いて杜氏に会い、酒ができるまでのプロセスや酒造りへのこだわりなどを聞いて回るそうです。

「お客さまの好みはいろいろ。気に入っていただけるものをすすめられるよう、とことん話しをするように心がけている」のだと話します。酒類を扱う上で難しいのは商品管理。意識こそしていませんでしたが、日本酒のラベルに「賞味期限」はなく、明記されているのは「製造年月日」のみ。いかに長期間美味しくいただけるか、はそれぞれの店の取扱方にかかっているのです。

また、俵山さんは「伊勢崎をアピールできるような酒を造ろう」と仲間5人と2年間かけてオリジナルの日本酒「伊勢崎」を作り出しました。お味は、ちょっと辛口、どんな食事にも合い、冷やでも燗でもおいしくいただけると好評。お土産として買っていく方も随分いらっしゃるそうです。

店舗の半分は、奥様が経営する「みやこ薬局」。処方箋を扱う相談薬局で、気軽に相談に訪れるお客さまが多くみられます。その奥様曰く、俵山さんは「器用でマメなお父さん」。特に生き物の飼育に関してはムツゴロウさん並で、セキセイインコをふ化させたり、リスの小屋をつくったり。今までにも犬、カメ、オカメインコなど飼った生き物を上げたらきりがないとか。少し前に大切にしていた犬が死んでしまい、寂しい思いをなさったそうですが、今またお子さんたちに「飼って」とせがまれている最中。次、伺ったときには、新しい家族が増えているかもしれませんね!

店舗情報

俵山商店・みやこ薬局

◆住所:群馬県伊勢崎市宮子町659-4
◆TEL:0270-26-2323
◆営業時間:9:00~20:00
◆定休日:第3日曜日
◆業務内容:酒類、飲料水、菓子類などの販売、洋服、履物の取扱
調剤薬局、まるかん、マイクロダイエットなど

取材日 平成20年10月

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あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。

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