今回、お話を伺うのは本格的な和食屋ふぐ料理から定番の居酒屋メニューまでバライティー豊かにする和酒食 仁風のオーナーである梅澤 圭一さん。お店をオープンするまでの経緯や、今後の展望について伺いました。
梅澤 圭一(うめざわ・けいいち)さん 伊勢崎市出身 伊勢崎市在住
色とりどりのたくさんの花が出迎えてくれる仁風。カウンターのある広い店内は、ぴかぴかに磨き上げられた床にテーブル席が広がっています。   もともとは、梅澤さんのお母さまが経営する料理店。幼少期からお店に立つお母さまの姿を見て育った梅澤さんですが、将来自分が包丁を握るようになるとは思っていなかったそうです。   調理師の道を考え始めたのは伊勢崎商業高校3年生の夏。それには、梅澤さんは中学時代から続けていた柔道が関係します。春季大会、総体、インターハイ予選という大きな大会を控えた高校3年生の春のこと。春季大会の3日前に交通事故にあい、3か月の入院を余儀なくされたのです。結局、最後の年は1度も公式戦の舞台を踏むことができませんでした。   夏になり、進路を決めるときになると、梅澤さんの中で霧に包まれていた思いが少しずつハッキリ見え始めました。それは、お店に立ち続けるお母さまの姿。自身も同じ道を進むべく、都内の調理師専門学校へ入学しました。   進学先に選んだのは、今まで自分のフィールドではない都内の専門学校。1学年400人以上もいる大規模校で、和食を専攻しました。「仲間にも先生にも恵まれました」という梅澤さん。「初めての一人暮らしで朝、起きられなくて先生から電話をもらったことも」と照れ臭そうに話します。のちに梅澤さんに大きな影響を与えることになる、埼玉の会席料理店「れんこん」の親方に出会えたのもまた、先生がつないでくれた「ご縁」でした。   追試や再試に追われるお友達にトラブルが発生。卒業を待つばかりだった梅澤さんは「使わないから」という理由で、入学時に購入した高価包丁セットを友人にあげてしまったのです。就職先の「れんこん」で「自分の包丁は?」と聞かれて初めてことの重大さに気づいたそうです。   入社直後の笑い話(?)はさらに続きます。初任給(現金支給)をもらった梅澤さん。実家へ行こうと、給料袋をズボンのポケットに入れて電車に飛び乗りました。ふとポケットに手をやると「ない!!!!」。どこかで給料袋を落としてしまったのです。急遽、実家に行くのを取りやめ、今、来た道を探しながら歩いていると、奇跡的に給料袋が見つかったのです! その翌日「今日こそ実家へ」と給料袋を後ろポケットに入れて再び電車に乗ると、再度「ない!!!」。前日の夜と同じように道路をくまなく探しますが、とうとう見つかることはなかったそうです。
「れんこん」では、皿洗いや野菜の皮むきからスタート。同期の仲間と励まし合い、腕をあげていきました。3年目には「焼き方」へ。焼き物を担当しながら、魚のさばき方も学んでいきました。就職したばかりのころは「3年くらい働いたら伊勢崎に戻ろう」と思っていた梅澤さん。ところが、そのころになると仕事が面白くなっていました。同時に「まだ一人ではお客様に出せる料理を作り上げることはできない自分」と気づいたそうです。「もっと勉強したい」と思った梅澤さんは修業を続けました。   「振り返ってみると、社会人3年目のこのときが人生最大の転機でした」と梅澤さん。もっと上へ――同期と競い合いながら高みを目指して腕を磨き、「自分の店をもちたい」と将来の目標を決めた時期でもありました。面倒を見てくれた親方、先輩、同期とは今も連絡を取り合う仲。特に親方は、時折、ふらりと仁風に尋ねてきてくれることもあるといいます。   どんどん力をつけていった梅澤さんに、ある話が舞い込みます。別の店に行っていた先輩が、新たな板前として梅澤さんを指名してきたのです。親方に背中を押され、行った先はフグ料理で有名な会席料理店。先輩の指導のもと大量のフグをさばき、閉店後は自分で購入した冷凍用のフグで練習を積んで「ふぐ調理師免許」を取得しました。できることがまたひとつ、増えました。   30歳を目前に伊勢崎に戻りたいという梅澤さんに、奥様も大賛成。お母さまが切り盛りしていたお店に、自らのお店を開くことになりました。店名の「仁風」とは、恵の風の意。ご長男とご長女の名前を一文字ずつとったものでもあるそうです。家族の結びつきの強さを感じますね!
「オープン当初はずいぶん葛藤がありました」と梅澤さん。お母さまが経営していたお店と、梅澤さんが出したいお店のタイプが異なっていたからです。今までのお店についてきてくださったお客さまが求めるものだけだと、梅澤さんが作りたいもののすべてを出し切ることができません。逆に、梅澤さんが学んできたことだけだと、今までのファンが求めるものとは違ってしまいます。   悩む梅澤さんを支えてくれたのは、お母さまとお客さまでした。「自分のやりたいことをやればいいんだよ」と梅澤さんの力を認め、意志を尊重して応援してくれたのです。「そういわれて、肩の力が抜けました」とにっこり。「ひとつのお店に、いろいろなタイプのお料理があってよいのではないか」と思い始めました。こうして、気軽な居酒屋メニューから、本格的な日本料理まで、さらに注文で高級なフグ料理や、季節を大切にした会席料理が提供できる、梅澤さんならではのスタイルが出来上がりました。   最大のピンチは、今直面している「コロナ問題」。状況は厳しいのですが、勉強の機会、と前向きにとらえています。新しい食材を使った料理にチャレンジしたり、気になっていた他店に足を運んだり。 お弁当の販売も始めました。その名も「打倒クソコロナ野郎鬼盛りのりから弁当」、通称「クソコロ弁当」。2合のお米の上には、大きな唐揚げ8個、青じそのきいた竹輪天、卵焼きとボリューム満点。「クソコロ弁当」は、フタがしまらないほどのメガ盛りがトレードマークで評判は上々です。「誰も思いつかないようなことするのが好き」と梅澤さん。クソコロ弁当を手に、驚くお客さまの顔が目に浮かびます。   これからは「自分を育ててくれた伊勢崎へ感謝」しながら「後身の指導にもあたりたい」と梅澤さん。楽しみはまだまだ続きます。
和酒食 仁風   ◆住所/伊勢崎市田中町184‐4 ◆TEL/0270- 23−6860 ◆設立/2005年 ◆営業時間/17:00〜 翌1:00 ◆店休日/日 ◆業務内容/飲食業    取材日 2021年4 月   和酒食 仁風こちら  
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
 今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
※ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際にお店等に行く方におかれましては、事前に電話等で確認してからお出かけ下さい。記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)
						
		
						
		
						
		
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