土屋文明記念館では、収蔵する様々な資料を県内各地で巡回展示しています。この度、伊勢崎市立図書館で展示が行われました。みなさんご存知の昔話「桃太郎」です。
この昔話は江戸時代中期に広まり時代とともに様々な解釈がなされ、主人公の桃太郎も時代や社会の流れの中で変わっていったそうです。それらの桃太郎は、現代の私達が知る「桃太郎」ではありません。巡回展中に開かれた同館学芸員さんの説明を聞きました。
昔から語り継がれてきた五大昔話(「桃太郎」「猿蟹合戦」「舌切雀」「花咲爺」「かちかち山」)の筆頭にあげられる「桃太郎」 江戸時代の滝沢馬琴の研究が有名だそうです。絵本として庶民に広まったのは、江戸時代中期の子供向けの赤本が始まりです。皆さんは「桃太郎は桃から生れた」と聞いていませんか?それがなんとこの時代の桃太郎は違うんですよ!桃から生れていないのです。ではどこから彼はやってきたのでしょう???これは当時、桃には不老不死の力、神聖なる食べ物とされていたことと関係があるそうです。そして江戸文化の成熟に伴い、浮世絵や絵巻など様々な分野に広がったそうです。
明治になると外国文化の輸入や教育勅語の発布という近代化の流れの中で、時代を象徴する新しい桃太郎が誕生してきます。学芸員さんの説明によると、五大昔話の特徴は「勧善懲悪」(善き行いを勧めて、悪しき行いを懲らしめる。)です。
桃太郎も悪しき鬼を退治し、目上のものを敬う子供として描かれていたため、明治初期の文明開化以降子供たちのお手本として教科書に載るようになっていきます。そのことから、桃太郎は桃から生れることになります。どうしてそうなるのかはここでは秘密。読者のみなさんが次回展示をご覧になれば解ります。
そして大正、昭和と時代は進み、軍国主義時代の「桃太郎」では日本の帝国主義や侵略主義を正当化するための象徴となります。日本初のアニメーション映画「桃太郎の海鷲」が制作されました。その映画の中で桃太郎や雉、犬たちは楽しそうに「真珠湾攻撃」を行っているのだそうです。
終戦後、桃太郎は戦争犯罪人のように見なされ、一時的に教科書や児童書から姿を消しました。戦後の民話ブームに民話への回帰が図られ、民話として「桃太郎」は復活。そして現代に至っています。
大変貴重な資料のため写真撮影も説明会の様子だけ許可となり、ここでは簡単にご紹介しました。昔話はたくさんありますがこれだけ長い時代様々に変化し、取り上げられたものは「桃太郎」だけといっても過言ではないそうです。そしてこれからも様々に変化して行くことでしょう。「それは日本と子供たちの未来を考えることにつながるかもしれませんね。」と学芸員さんも説明していました。
皆さん“百聞は一見にしかず”ぜひ巡回展を直接ご覧になってください。次回は伊勢崎市境総合文化センターで行われます。
◇日時:10月4日(土)〜5日(日) 午前10時〜午後5時まで 入場無料
(県立土屋文明記念館学芸員による説明会〜10月4日(土)午後2時〜)
場所:伊勢崎市境総合文化センター 一般展示室
※同時開催 展示ロビーでは「第2回文学祭」開催。文学作品を展示します。
取材日:2008年9月27日/アイマップfuru
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