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おじゃましま〜す vol.267 伊勢崎市東町『伊勢崎市あずま支所』さん

映画「ブルーボーイ事件」裁判所のロケ地・あずま支所を日本アカデミー賞の聖地にしよう!

あずま支所で撮影された法廷のシーン
あずま支所で撮影された法廷のシーン
パンフレットを手に映画をPRする須藤さん 

連日満席が続き、全国で話題を集めている映画『ブルーボーイ事件』。群馬県出身の飯塚花笑監督がメガホンを取り、全編を群馬県内で撮影した本作は、日本アカデミー賞「話題賞」への期待も高まっています。重いテーマに真正面から向き合った作品の中で観る人の心を強く揺さぶる「核」となるのが、法廷のシーン。その撮影場所に選ばれたのが、伊勢崎市あずま支所なんです。選定された理由、撮影の裏話など、庶務課の須藤広志さんに伺いました。

感動の法廷シーン、議長席が裁判長の席に

舞台挨拶をする飯塚監督 ?前橋新聞mebuku 

映画『ブルーボーイ事件』は、1960年代の日本で実際に起きた事件をもとにした社会派ドラマ。この裁判では、性別適合手術が法律に違反するかどうか、だけではなく手術を受けた当事者が幸せかどうか、ということにまで踏み込んで問われました。人の「幸せ」そのものが争点となった裁判は、例がないのだそうです。

 

飯塚監督が、ロケハンで最初に探し求めたのが裁判所。平成の大合併以降、使われなくなった議場を巡る中で選ばれたのが、伊勢崎市あずま支所の旧議場だったのです。合併後、旧議場は倉庫として使われ、多くの書類が保管されていました。決め手となったのは、当時の雰囲気を残す木造の凛とした佇まい。令和5年12月に撮影のオファーが届きました。

 

「本当に大変だったのは、ここからでした」と須藤さん。

公共施設のため、本来の目的以外で使用するにはクリアすべき多くの課題がありました。しかも、旧議場がある庁舎の3階には4つの会議室があり、現在も定期的に使用されています。撮影の期間中、3階は貸し切りとせざるを得ず、通常の利用はできません。トイレ、電源などさまざまな問題が次々と浮かび上がってきました。

その中で最大の論点は「伊勢崎のためになるかどうか」。検討を重ねた結果、伊勢崎にとってプラスになると判断し、協力が決まりました。

空間に命を吹き込んだ美術スタッフの手腕

実際に使われた議長席 
段差を生かした法廷の傍聴席 

ひとつ問題がクリアになると、別の問題が頭を持ち上げてきます。

旧議場を「法廷」に見立てるには、室内にあるものを片付けなければなりません。膨大な書類は関係各所と調整しながら移動を進め、既に使われなくなった机や棚もすべて解体・撤去。これも一苦労でした。「大変でしたが、いつかはやらなければならなかったこと」と、須藤さんは明るく振り返ります。

 

その中で唯一、制作側の強い要望を受けて残したのが、議長席。重厚さが法廷の裁判官席にぴったりだったのです。ですから、スクリーンの中の「裁判長」の席は、あずま支所で長い間使われてきた歴史ある席。なのですよ。感慨深いですね!

 

「現場で目を見張ったのが、美術スタッフの力でした」と須藤さん。

角材を搬入し、その場で組み立て、当時の裁判所を見事に再現。暗く静まり返っていた空間は、一変して張り詰めた緊張感と威厳を帯びた場へと生まれ変わりました。

 

その空気をさらに高めたのが、俳優陣の演技です。

カメラが回った瞬間、空気は一変。法廷のシーンは、感情を途切れさせないため、カットを入れず長回しで撮影したそう。リハーサルのシーンを特別に見学させてもらった須藤さんは「互いの熱量が伝わり合い、現場全体が一つの感情に包まれていくようでした。演技とは思えないほど白熱したやり取りと、ものすごい緊張感。遠くで見ていたほかの俳優たちからも、『すごい!』と感嘆の声が上がったほどでした」と熱を込めて語ります。

エンドロールに刻まれた、あずま支所の名前

現在シネマテークたかさきに設置されている証言台(写真はアクエル前橋 ?前橋新聞mebuku) 

関係者試写会を訪れた須藤さん。舞台挨拶で監督の口から語られた、伊勢崎市あずま支所への感謝の言葉に「思わず胸が熱くなった」と振り返ります。

 

そしてエンドロールに「撮影協力」として真っ先に刻まれているのが「伊勢崎市あずま支所」! 「作品の一部になれたことが、本当にうれしく誇らしい」という須藤さんの言葉には、静かな喜びがにじんでいました。

 

現在、セットは片付けられましたが、裁判官席となった議長席や撮影時の絨毯は残されています。声をかければ見学も可能とのこと。映画を観た後に訪れると、俳優たちの熱量が今も息づいているように感じられます。

 

作品は現在、シネマテークたかさきで上映中。

オール群馬ロケのため、「ここは見覚えがある」と感じる場面も数多く登場します。

 

この作品をきっかけに、他作品からのロケ問い合わせも増えているそうです。

スクリーンに映る伊勢崎の姿が、これからさらに広がっていく――そんな期待が高まります。

 

みんなで『ブルーボーイ事件」を日本アカデミー賞・話題賞にしよう!

あずま支所に飾られた飯塚監督のサイン 
主人公・サチを演じた中川未悠さんのサイン 

日本映画の最高峰、日本アカデミー賞。

最優秀作品賞を筆頭にさまざまな賞がありますが、その中に「話題賞」があるのをご存じですか。この賞は、その年に最も注目された映画や俳優を表彰するもの。オールナイトニッポンのリスナー投票を元に決定されるという、一般の人が投票に参加できる特別な賞なのです。ホームページから投票でき、私たち一般の観客の投票によって選ばれます。つまり、私たち一人ひとりの思いで『ブルーボーイ事件』を話題賞に押し上げることができるというわけです!

 

公開後、国内最大級の映画レビューサービス・Filmarks(フィルマークス)が発表した初日満足度ランキングで、1位に輝いた『ブルーボーイ事件』。平均★4.07という評価は、同時期に公開された作品の中でも群を抜く高評価です。

 

美しい景色に、心を揺さぶる俳優陣の演技、そして緻密な脚本。苦しさとやさしさがさざ波のように重なり、やがて大きなうねりとなって心に迫ってきます。

法廷で裁判長が主人公に投げかける問いは短いながらも重く、胸に深く突き刺さります。そして主人公の答えに、思わず涙。迎える最後の静かな余韻まで、心を離しません。

 

今年一番といっても過言ではない素晴らしい作品。

観終えたその感動のまま、ぜひホームページにアクセスして、ぽちっと一票を。そして伊勢崎を、日本アカデミー賞の「聖地」にしましょう。

問い合わせ先

画像1 

『伊勢崎市あずま支所』 

◆住所/伊勢崎市東町2668-1

◆電話/0270-62-1311 (代表)

◆開庁時間/8:30~17:15

◆閉庁日/土曜・日曜・祝日

◆映画『ブルーボーイ事件』HP はこちら

◆写真を提供してくださった 前橋新聞mebuku での『ブルーボーイ事件』の記事は こちら


取材日:2025年12月



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