おじゃましま~す vol.275 伊勢崎市日乃出町『NPO法人 いせさき地域ねこ連絡会 ねこまる』さん
猫にも人にも、やさしいまちへ。小さな命をつなぐNPO法人
9月20~26日は、動物愛護週間。これは、法律に名称と期間が明記され、動物全般を対象とした「週間」です。今回は、伊勢崎市内で人と猫が暮らしやすい街づくりを目指して活動する「NPO法人 いせさき地域ねこ連絡会 ねこまる」さんの保護猫譲渡会におじゃまし、会場の様子を見せてもらいながら活動についてお話を伺いました。
単独での譲渡会を開催
シルバーウイーク真っただ中、動物愛護週間の初日にあたる9月20日。ホームセンターの一角に「保護猫譲渡会」の旗がはためいています。
会場には、子猫から成猫まで12頭が集合。ねこまるさんの会員やボランティアスタッフも、来場者を温かな笑顔で迎えます。買い物途中に立ち寄った人、インスタを見て足を運んだ人、今回初めて保護猫の存在を知った人などが次々と会場を訪れ、ケージの中の猫たちを愛おしそうに見つめています。
それぞれの猫のそばには、保護された経緯や性格、好きなもの、そして「ずっとのおうち」に望むことなどを詳しく記したプロフィールカードが掲げられています。「ずっとのおうち」とは、保護された猫が家族の一員として迎えられ、生涯安心して暮らせる家庭のこと。保護された背景まで丁寧に紹介しているのは、屋外で暮らす猫の実情や、置かれている環境を知ってほしいという思いからです。
2頭目を迎えるために沼田から来たという家族は、「大切な命を迎えることになるので、簡単には決められません」と、プロフィールカードと猫たちを真剣な面持ちで見ていました。
「早く」より「幸せに」。譲渡先は慎重に
ねこまるさんから「ずっとのおうち」に移った猫たちは、今までに●●頭。「ずっとのおうち」を探すには、ホームページやSNSで募集したり、他団体が開く譲渡会に参加したりしたそうです。それが、2026年8月からは、単独での譲渡会をスタートさせました。カインズ伊勢崎店から声が掛かり、店内で初開催。普段は保護猫になじみのない買い物客にも、その存在や取り組みを知ってもらう機会になったといいます。
取材日の譲渡会場には29組、170人が訪れ「迎え入れを考えたい」と前向きな声も聞かれました。ただし「迅速な譲渡を第一には考えていません。申し込み順でもありません」と理事長の中山真理子さん。
希望者にはまずアンケートを取り、家族全員が猫を迎えることに同意しているか、最後まで責任を持って飼える環境が整っているかなどを一つ一つ確認します。1頭に対して複数の申し込みがあった場合でも、ベストマッチングではないと判断した場合は、譲渡を見送ることもあるそうです。
譲渡の際に必ず約束してもらうのが、脱走防止の対策と、不妊・去勢手術。これ以上、飼い主のいない猫を増やしたくない、望まれない命が生まれることを防ぎたいとの思いから、手術前の猫を譲渡した場合は、適齢期を迎えてから必ず受けてもらい、手術後は報告もお願いしているといいます。
人にも猫にも心地よく。伊勢崎にするために
「ねこまる」が誕生したのは、2022年6月。地域猫や保護猫のために活動していた人たちが、個人でできることに限界を感じ「横のつながりをつくり、情報を共有しながら力を合わせよう」と集まったのが始まりです。次第に仲間が増えるにつれ、社会的な信頼を高め、より活動しやすい組織にしようと2025年2月にNPO法人化。伊勢崎市内の愛護団体で、法人格を取得した初めての組織になりました。現在は12人の正会員と約30人のボランティアで活動をしています。
活動の柱は二つ。飼い主のいない猫に不妊・去勢手術を施して元の場所に戻し、一代限りの命を地域で見守る「TNR」と、今回紹介したような保護・譲渡です。「この二つを両輪に、厳しい屋外環境で暮らす猫を減らし、動物愛護センターなどに収容される猫や、殺処分される猫をなくすことを目指しています」と中山さん。
現在、保護している猫は、約40頭。保護猫シェルター「ねこまるハウス」と、会員やボランティアさんたちのご自宅で、みんなの愛情をいっぱいに受けながら「ずっとのおうち」を待っています。
中山さんは「猫好きの人、苦手な人、糞被害などで困っている人、それぞれ違う気持ちや事情があります。だからこそ、特定の立場だけで考えるのではなく、人と猫が共に暮らしやすい、地元・伊勢崎に合った「地域猫活動」を、行政と一緒に進めていきたい」と話しています。
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