旧森村家住宅で内裏雛が展示されました
歴史的建造物で貴重なお雛様を拝見

一番大きいのは享保雛

 伊勢崎市連取町にある歴史的建造物旧森村家住宅。ひな祭りのこの時期に、旧森村家に代々伝わる内裏雛の展示が行われました。

 旧森村家住宅は平成15年10月31日は市指定重要文化財に指定された歴史的建造物です。3月1日から4日までの4日間、旧森村家に代々伝わる内裏雛が展示されました。なかでも貴重な雛人形は享保雛です。

◆享保雛とは
 江戸時代の中頃、次第に庶民に経済力がつくようになり、文化的な発展がみられました。18世紀はじめ享保期になると経済的に豊な商家などは、お節句に飾る雛人形をこぞって大型のものや豪華な雛道具としてあつらえるようになりました。こうしたことから江戸時代に作られた大型の雛人形を一般に「享保雛」と言っています。しかし、享保の改革で緊縮財政を進めた江戸幕府は、庶民に対し、享保20(1735年)に人形の高さを8寸(約24cm)までとし、それ以上の大型の雛人形や金蒔絵の道具の製作を禁止する触れを出しました。(資料「旧森村家に残された内裏雛」より)

◆旧森村家の享保雛
 旧森村家の享保雛の制作年代は判りませんが、大型であることから享保雛と考えられます。連取村は幕府の旗本である駒井氏の知行地でした。森村家はその地方(じかた)の代官を務めた裕福な農家でした。
 明治維新後、駒井氏は領地と職を失い、もともと持っていたこの享保雛と脇差を森村家に売り立て、森村家では値段の折り合いのついた享保雛だけを手元に置き、脇差は送り返したという記録が残っていたそうです。(資料「旧森村家に残された内裏雛」より)

間近に見ると違いました

 享保雛の特徴は大きいことですが、そのほかにも面長の顔に切れ長の目が特徴。記者は以前、赤堀歴史民俗資料館で旧森村家の享保雛をガラス越しに見ました。 
 今回は旧森村家の雰囲気ある建物内で拝見したことで、記者は、代々大切に保管されてきた重みと人形でありながらも『時代を生き抜いてきた』というちょっと頑固そうな表情も感じました。
 そのほかにも旧森村家に伝わる明治、大正時代のお雛様が展示され、訪れたお客さんも人形の持ち物や衣装、顔立ちの違いを見比べ楽しんでいました。
 今回のお雛様の展示は4日間だけですが、旧森村家住宅は毎月第1,3日曜日、一般に公開されています。興味のある方はぜひご覧下さい。


◆お知らせ: 旧森村家住宅、一般公開
毎月第1、第3日曜日 午前9時〜午後4時
(※日曜日はアイオー信用金庫宮郷支店の駐車場を利用できます。)
ほかにも「きり絵展」など季節ごとに特別展もあります。
くわしくは広報をご覧下さい。

お問合わせ先 伊勢崎市教育委員会文化財保護課  
TEL 0270−24−096


取材日:2009年3月3日/アイマップfuru

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