経営者の輪Vol.385 株式会社シゲンの取締役 林 重男さん
経営者の輪Vol.385 株式会社シゲンの取締役 林 重男さん
今回、お話を伺うのは、株式会社シゲンの取締役 林 重男さん。今のお姿からは想像できない幼少期のお話、株式会社シゲンの強み、今のお仕事の大変さ、その一方で感じる醍醐味などについてお話いただきました。
ラグビーで鍛えられた精神力
「小さい頃は泣き虫だったんですよ」。今の林さんからは想像できない言葉に思わず声を上げて笑ってしまいました。失礼ですよね、ごめんなさい。。家の外で心細さを感じてシクシク、家では3歳上のお姉さんと喧嘩をしてメソメソ。ご両親からは「泣くのなら、家の中で泣け」と叱られたのが幼少期の思い出と言います。いやー、意外ですねぇ。
そんな風に言われていたのも小学校入学前まで。その後はどんどん身長が伸び、高学年になると165センチという長身な少年に成長しました。その頃から、スポーツ好き。見るのもするのも大好きで、特に球技が得意だったそう。中学生ではバスケットボール部に入部。高身長を生かしてセンターを任されていました。
進学先の樹徳高校では、なんとそれまでボールを触ったこともなく、ルールも知らなかったというラグビーに挑戦しました。まず、戸惑ったのはルールです。バスケットボールは、意図していなくても相手に触れた時点ですぐにファウル。5回のファウルがカウントされると退場となりますが、ラグビーは相手にぶつかったりタックルしたりしなければそもそも試合として成り立ちません。「中学時代は、退場となってベンチにいることが多かった(笑)」という林さんだけに、相手にかかっていくラグビーに困惑していました。
当時の樹徳高校ラグビー部は60人を超える大所帯。ラグビー部がある高校は多くありませんでしたが、当時、県内で絶対王者と言われた農大二高を筆頭に明和県央高校、前橋高校など強豪がそろっていました。当時は、プライアンスなどが問題視されることもなかった時代。先生の指導や先輩の存在は絶対で、練習もマナーも厳しく指導されました。
「今と比べることありませんが、当時のことを思えば大抵の事は乗り越えられる気がしますね」と微笑みながら振り返ります。
作業のスタートを担う仕事、まちの快適環境も創造
高校卒業後は、飲料関係の会社に就職。玉村方面を回っては得意先に飲料のサプライをしていました。入社から数年が経ち、少しずつ社会に目が向くようになると、他の仕事への興味を持つようになっていきました。
転職を考え、新たな職探しが始まりました。住んでいた前橋から通いやすく、屋外で仕事ができ、キャリアも身に付いて、さらに給与等の待遇に恵まれたところ。そんな理想的な会社がーーー、あったのです! それが今も勤務している株式会社シゲン。早速、面接を経て採用が決まりました。
同社は、解体工事をメインに「くらしのゴールとスタートをつくる会社」としていまから40年前に創業した会社です。
林さんが、入社して初めてついた業務が、先輩を乗せて現場に向かうこと。その後、少しずつ解体に携われるようになりました。
「建物の解体と言うと、ストレス発散になりそうだねと言われることもありました」と言いますが、実際は逆。確かに、以前は大型の機械を使ってダイナミックに解体していた時期もありましたが、建設リサイクル法が施行された平成14年以降、細かな分別が求められるようになりました。木くず、ガラス類、コンクリート、アスファルトなどのがれき類、プラスチック類、紙くず、金属くずなどなど。「細々と分類しなければならない様子を目の当たりにし、ちょっとしたカルチャーショックを覚えた」と話します。大胆に感じる解体ですが、実はとっても繊細なお仕事なんですね!
建造物を解体後、更地にしておくこともありますが、何かしらの建造物が計画されている場合もあります。そんなとき、一連の作業の先陣を切るのが同社のような解体をする会社です。何かしらの理由でスケジュールが後にずれてしまうと、その後を担当する会社に大変な思いをさせてしまうことに。それだけに、余裕を持ってバトンを渡せるよう心掛けて同社では「短納期」を重視しています。
それを実現可能にしているのが、社員の教育の充実と協力会社とのネットワーク。社内には資格取得を応援する制度があり、費用などは会社が負担してくれます。社員同士が励まし合いながら高みを目指す社風で、各々が自身と会社全体のレベルアップを目指しています。
林さん自身も、解体工事施工技士、石綿含有建材調査者、職長教育、車両系(解体・整地)、ロープ高所作業、石綿取扱い作業従事者、フルハーネス型墜落制止用器具のほか7つもの資格を取得。すべて同社に入社してから得たものだそうです。資格取得は、自分の自信にもつながりますね!
ときには解体前の片付けから手がけることも。中には「ゴミ屋敷」と揶揄されていたようなお住まいもあったとか。その場合も、分別・リサイクルを徹底。きれいに片付いて見た目もスッキリすると、まちの雰囲気も一転します。快適環境を作り出すことも林さんたちのお仕事のひとつです。
二つの転機と家族の絆
林さんの転機は、ふたつ。ひとつは、職場長になった時です。自分だけでなく、現場の担当者、お客様など現場に関係する人たちみんなが可視化できるルールを考案しました。
「何事もなく無事現場が終わると、ホッとします」と林さん。人間は誰でも完璧ではありません。少しでもミスを少なく、安全・正確に現場を仕上げることができるようなシステムを考えることは、林さんの新たなやりがいにつながりました。
自ら「一番の転機」と語るのが4年前。取締役に就任したことです。営業も担当するようになり、お客さまの元を訪ねる機会も大幅に増えました。お客さま、営業担当者、職場長、現場担当者と関わる人が一気に増えたことで、明確な指示・伝達の重要性を感じるようになったと言います。
2025年5月には伊勢崎商工会議所青年部に入会。200人を超える大勢のメンバーに、当初は圧倒されたそうです。それと同時に、伊勢崎を活気あるまちにするため、お祭りや講演会、ミスひまわりなどこんなにもたくさんのことに関わっていたのか、と驚きました。
自分の仕事を持ちながら青年部の活動も熱心に取り組む仲間たちは、林さんにとって驚きの存在であり、目標でもあります。
「いろいろな仲間と知り合えるのは楽しい」と林さん。全国大会で、文字通り全国の仲間たちと関わり合えるのを今から楽しみにしています。
プライベートでは「思春期真っ盛り」というお子さん2人を持つパパ。お子さんたちも林さんと同じく球技に取り組んでいて「試合の応援に行ったり一緒にテレビを見て観戦したりするのが楽しみ」とうれしそうに話します。
「家族そろって出かける機会は減り、最近の休日は妻と2人でドライブ」なのだそう。ご家族との絆が、林さんの原動力になっています。
企業情報
株式会社シゲン
◆住所/伊勢崎市宮子町3267
◆TEL/0270-23-9115
◆創業/1985年
◆営業時間/8:00~17:30
◆休日/日曜、祝日、隔週土曜
◆従業員数/20人
◆業務内容/解体工事、建築施工、リフォーム、盛土工事、切土工事
取材日 2025年6月
株式会社 シゲンのHPはこちら
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!
あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。
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