経営者の輪Vol.387 株式会社ファンテックの代表取締役 狩野琢馬さん

経営者の輪Vol.387 株式会社ファンテックの代表取締役 狩野琢馬さん

今回、お話を伺うのは、株式会社ファンテックの代表取締役 狩野琢馬さん。「一生会社員として過ごす」と思っていたにも関わらず独立を志した理由、お仕事のやりがいや社長としての喜び、お世話になった社長の教えを大切にしたお仕事のスタイルなどについて聞きました。

プロフィール

狩野 琢馬(かのう・たくま)さん

前橋市出身

伊勢崎市在住

友人の誘いで出会った電気工事の仕事に夢中

大胡町(現前橋市)で生まれ育った狩野さん。小学校時代は少年野球チームに入っていました。1年先輩には、現在、読売ジャイアンツで大活躍の左腕、井上温人投手のお父様がいらしたそうです。中学~高校はバスケット部に在籍。高校卒業後は、ホテル・トラベル関連の専門学校に進学する予定でしたが、将来、その業界で働く自分の姿が想像できなかったといいます。そこであえて進学はせず、トップシーズンにリゾート地でバイトに精を出していました。ご両親も「自分の好きなことをやったらいい」と、温かく見守ってくださったそうです。

 

最初の転機が訪れたのは、19歳のとき。小中学校の友人から仕事の誘いを受けるのです。その友人は、お兄様と一緒に家電の設置工事をする会社を経営。電気関係の仕事は、文・理でいうなら完全な理系で、文系の狩野さんにとって決して得意なジャンルではありませんでした。しかし「やってみよう」と、個人事業主として仕事を受けることにしたのです。

 

「やってみると、これが楽しくて」と表情を緩ませる狩野さん。自分の仕事による目に見える変化が面白くてのめり込み、電気工事士などの資格も取得しました。

 

さらにできることの幅を広げたいと、電気工事を専門に手掛ける会社に転職することにしました。

後悔したくない、との思いから志した独立

面接を受けた会社の社長は、大胆なほど即決。出かけた先で「この人」と思う人材がいるとスカウトをして社員に招き入れるような行動力のある人でした。「とりあえず話を聞こう」と訪れた狩野さんと言葉を交わした後「いつから来られるの?」。即採用のサインでした。こうして、正社員として会社員生活を送ることになりました。

 

入社した会社の主たる業務内容は、住宅の電気工事全般。家電の配線設置はお手のものでしたが、住宅に関わる電気工事は初。先輩から現場で一から学んでいきました。次第に工事だけにとどまらず、お客さまとの打ち合わせ、配線計画、施工、見積もりなどすべてのプロセスを任せられるように。「大変だったけれど、このとき経験したことが独立後、とても役立ちました」と話します。

 

お客さまとの打ち合わせに同席した際、生活のスタイル、動線、好みなどを聞き、それにふさわしいと提案をすることで喜ばれると、さらなるやりがいにつながりました。「当時は珍しかった間接照明使い、さまざまな暮らしのシーンを想定したコンセントの配置などが特に好評でした」と当時を振り返ります。

 

「ずっと会社員を続けていくと思っていた」という狩野さんに「自分でやってみたい」という気持ちが芽生えたのは、入社して10年ほどたったころ。「あの時やっていけばよかったという後悔はしたくない」と独立を意識するようになりました。普段は石橋を叩いて渡るタイプの狩野さんに対して、奥様は石橋を叩く前に走り出す行動派。当時40歳でまだまだ手のかかる3人のお子さんがいらっしゃいましたが、奥様は快く背中を押してくれました。「むしろ、妻の方が独立に積極的にでした」と照れ臭そう。良いコンビですね!

 

ところが、勤め先の社長は独立に反対。3年ほど引き留められていましたが、最終的には納得してくれたそう。会社のみんなが開いてくれた送別会には「絶対行かない」と言っていた社長ですが、当日はひょっこり顔を見せて門出を祝福してくれました。「このことはとても嬉しく励みになった」と話します。

お世話になった社長からの教えを胸に

独立当初、大きな力になってくれたのは、電気業界に狩野さんを招き入れてくれた小中学校の友人でした。それぞれ別々の会社でキャリアを積む中、ご友人の会社は住宅、太陽光と幅を広げていたのです。狩野さんご自身も住宅電気工事で腕を磨き「いつか一緒にやれればいいな」という思いはずっと抱いていたそう。お互いが力をつけ、高い位置で再び必要とし合える関係へと成長をしていたのです。友人の会社が手掛ける住宅の電気工事は、狩野さんに任せられました。

 

もう一人、力を貸してくれた人物がいました。それが実弟です。ケーブル工事に携わっていた弟さんが、独立をサポートしてくれたのです。ご兄弟でうまくやっている秘訣は「ちょうど良い距離感」。肉親だとどうしても遠慮なくなってしまいがちですが、お互いを尊重し合う関係がうまく行くコツなんですね。

 

 

創業から5年ほど経ち、仕事が軌道に乗り始めると、ここでもご友人のアドバイスで法人化。2024年のことです。「仕事を楽しく続けたい。高い技術を持ってのぞみたい」という思いを込めて「ファンテック」と名付けました。

 

このタイミングで、社員が増えました。飲食関係の仕事をしていた人で電気工事の仕事は初心者でしたが、人当たりの良さや人を引きつける人間性に惹かれて、狩野さんがスカウトをしたのだそうです。「社員が『仕事が楽しい』と言ってくれるのが何よりうれしい」と満面の笑みを見せます。

 

今では「やめた社員に仕事は出さない」という方針だった前の会社からも仕事の依頼があるそう。よほど信頼を寄せられている証です。ご自身はその理由をどう思っていらっしゃるのか、お尋ねすると「(以前在籍していた会社の)社長の教えを守っていたからかな」とニッコリ。社長の教えとは「笑顔で人と接して仕事をしろ」ということです。常日頃、言われていたことだそうです。「この教えのおかげで、対人関係で悩んだことはほとんど無いような気がします」と狩野さん。

 

確かに取材中もずっとにこやかに接してくださり、心地よい時間を過ごせました! 「笑顔」、そして「楽しく、心地よくやっていきたい」という強い思いが、狩野さんの仕事の幅を広げていきます。

企業情報

株式会社ファンテック

 

◆住所/伊勢崎市山王町211-3

◆TEL/0270-61-9429-

◆設立/2024年

◆営業時間/8:00~19:00

◆休日/日曜、祝日

◆従業員数/2人

◆業務内容/電気工事全般、エアコンの取り付けなど

 

取材日 2025年7月

 


応援します商売人!
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!

あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。

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