経営者の輪Vol.398 株式会社SMART BRAIN(まんぷくいちご園)園長 佐藤 柊馬さん

経営者の輪Vol.398 株式会社SMART BRAIN(まんぷくいちご園)園長 佐藤 柊馬さん

今回、ご登場いただくのは株式会社SMART BRAIN(まんぷくいちご園)の園長 佐藤 柊馬さん。「いつかは自分で経営したい」という夢を持っていた佐藤さんの原点は、23歳で独立した父の背中。宮古島でのリゾートバイトをきっかけに見つけたのが「いちご農園」の運営という目標でした。土地探しや資材高騰など幾度もの壁に直面しながらも諦めず、昨年末「まんぷくいちご園」をオープン。その挑戦と歩みを追いました。

プロフィール

佐藤 柊馬(さとう・しゅうま)さん

安中市出身

伊勢崎市在住

負け続きのサッカー少年が抱いた、経営者への憧れ

安中市で育った佐藤さん。子どもの頃は少し内弁慶な少年だったそう。小学校から中学校にかけては、お父さまの影響でサッカーに打ち込みました。しかし所属していた中学のチームはなかなか勝てず、いつも下位に沈むことが多かったといいます。

 

それでも中学3年生最後の公式戦で初めて一勝をあげ、3位に。負け続きだったチームにとっては大きな快挙でした。

「本当にうれしかったですね。頑張れば結果が出ると、初めて実感した瞬間でした」と、頬を緩ませながら当時を振り返ります。

 

この頃から「将来は自分で何かを経営する人になりたい」と思うようになっていたそうです。その思いの背景にあったのは、お父さまの存在でした。

 

お父さまは23歳の若さで建築業として独立。家庭では仕事の話をあまりしなかったそうですが、休日は子どもたちとよく遊び、温かく家族を支えてくれたそう。そんな姿を見て「子どもながらに『かっこいいな』と思っていました」と話します。そして、そんなお父さまの背中が、いつしか佐藤さんの憧れになっていったのです。

 

宮古島で自由な仲間との出会いが転機

高校は進学校。友人たちが大学進学を目指す中、佐藤さんは「本当に大学へ行く意味はあるのだろうか」と迷いもあったといいます。

 

しかし、経営や経済に興味があったこと、そして両親の勧めもあり進学を決意。短期大学に入学、卒業後は通信制大学に編入しました。通信制大学は、Webで講義を受け、試験を受けて単位を取得する仕組み。時間の使い方はすべて自分次第です。

 

入学から4カ月後、佐藤さんは思い切った決断をします。宮古島へ渡り、リゾートバイトを始めたのです。そこで出会ったのは、自由を愛する若者たち。自分の好きなことを見つけ、のびのびと人生を楽しんでいました。その姿を見て、佐藤さんの胸に強い思いが湧き上がったのです。

 

「自分もこんなふうに、自分の力で何かをやりたい」

宮古島でのこの経験が、人生の大きな転機になったといいます。

 

ちょうどその頃、お父さまからある連絡が入りました。知人がいちご農家に転身したという話でした。

「今、いちごが熱いらしい」。その一言を聞き、心が動きます。

 

自分が携わったものが直に届けられるーー。

このことは佐藤さんにとって魅力的でした。もともと接客が好きだったこともあり、「いちご農家になるのではなく、お客さまとコミュニケーションをとって楽しんでもらえる場を作りたい、観光農園をやりたい」と一瞬にして夢がはっきりとした形になって頭の中に描かれたのです。

諦めないことでつかんだ夢

2021年4月、佐藤さんは群馬へ戻り、9月から渋川市の農業法人でいちご栽培の修業に入ります。

 

それまで植物を育てた経験は皆無。「正直、最初はこの小さな葉っぱから本当にいちごができるのかなと思っていました」と照れ臭そうに笑います。

 

半信半疑のまま作業を続ける日々。ある日、小さな白い花が咲いているのを目にします。やがて小指の先ほどの小さな実をつけ、次第に色づき始める様子を見たとき、胸に込み上げるものがありました。

「これを仕事にしたい」。そう強く思えた瞬間でした。

 

当時、この農園には佐藤さんと同じように起業を目指して研修に励む仲間がいました。その仲間たちと励まし合いながら、2年後の独立を目指しました。研修を終え、いよいよ独立に向けて準備開始。しかし、ここからが本当の試練でした。

 

農業資材の高騰、人手不足。そして最大の壁となったのが、土地探しでした。農地を持たない新規参入者にとって、ハウス栽培の土地を借りるのは簡単ではありません。

良い土地が見つかっても、ビニールハウスを建てると聞くと難色を示されることもありました。

 

ようやく土地が決まったのは、修業2年目の終わり頃。ところがそこからさらに、待っていたのは、長い審査の時間でした。

「本当に始められるのか、自分では何もできずに待つだけの日々。先の見えないもどかしさに、何度も夢を諦めかけました」と振り返る佐藤さん。それでも踏みとどまれたのは、家族や指導してくれた人たちの励ましがあったからでした。少しずつ手探りで進み、問題が解決するごとに、暗闇に差し込む光は強さを増していきました。

 

ようやく許可が下りたのは、なんと2025年。当初の予定から3年が経っていました。

アクセスの良さにこだわった佐藤さんが確保できたのは、スマーク伊勢崎近く。新規参入としては平均の2倍ほどにもあたる、約25アールの土地でした。「父が真面目に仕事に取り組み、信頼を得ていたことが大きかった。改めて感謝です」としみじみ語ります。

 


その年の9月。ついに苗を植える日がやってきます。

思ったようにスタッフ確保ができなかった分、夜遅くまでヘッドライトを付けて作業する日々。家族やスタッフの力も借りながら、準備を進めました。

こうして、昨年12月、念願のいちご園「まんぷくいちご園」をオープンさせたのです。

 

「味には自信がありましたが、お客様に喜んでもらえるだろうかと不安も大きかった」という佐藤さん。しかし、その心配はすぐに消えました。丁寧な接客と甘いいちごが評判となり、いまでは週末は予約でいっぱいになるほどの人気に。

 

「自分が手をかけた分、結果が返ってくる。それがこの仕事の面白さです」と佐藤さん。

「今後はSNSをさらに駆使して広く知ってもらいたい。ハウスも広げていきたい」と語る表情は、ご自身が育てるいちごのようにピカピカに輝いています。

企業情報

株式会社SMART BRAIN(まんぷくいちご園)

 

◆住所/伊勢崎市豊城町2444

◆TEL/080-4120-1115

◆創業/2011年

◆営業時間/9:00~17:00

◆休日/火曜

◆業務内容/建築業、いちご栽培、まんぷくいちご園運営

 

◆いちご狩りの予約はこちら

◆Instagramはこちら

 

 


取材日 2026年3月

 


応援します商売人!
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!

あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。

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