経営者の輪Vol.163 有限会社髙井商店の「髙井勇雄さん」伊勢崎市ひろせ町

Vol.163 有限会社髙井商店の「髙井勇雄さん」の巻

今回「経営者の輪」にご登場いただくのは、有限会社髙井商店の代表取締役・髙井勇雄さんです。

プロフィール

髙井勇雄さんは、有限会社髙井商店の3代目。歴史ある同社を継ぐまでのいきさつや、地域に対する思いなどを伺いました。今回は、うれしいことに2代目(現会長)もご同席くださいました!

<プロフィール>
髙井勇雄(たかい・いさお)さん
昭和46年11月14日生まれ
伊勢崎市出身
伊勢崎市在住

小2で気持ちは後継者!?

有限会社髙井商店は、昭和24年から続く歴史ある会社です。同社を創業したのは、今回ご登場いただく髙井勇雄さんのおじい様。当時、本社は大手町にあり、食品や子供用の玩具菓子の卸業が業務の中心でした。


小さいころから、おじい様やお父様の働く姿を見て育った髙井さん。
「大工やラーメン店店主など、職人っぽい仕事に憧れながらも、半分くらいは跡を継ぐことを考えていたように思います」と話します。

それを裏付けるエピソードを話してくれたのは、現在、同社の会長でもあり、髙井さんのお父様。
髙井さんが小学2年生のときのこと。担任の先生が教室で児童を前に「お菓子を食べてはいけない」と話したところ、髙井さんが「それでは商売にならないじゃないか!」と立ち向かったというのです。その話は、今でも語り草となっているのだとか。

「きっと先生は、お菓子を先に食べるとご飯の進みが悪くなるから、まずはご飯をしっかり食べましょう、ということが言いたかったんだと思うんですよ」と笑いながら話す会長。髙井少年の中に3代目としての意識は、このころ、すでに芽生えていたのです。

「大きくなるにつれて、継ぎたくない気持ちが大きくなってきた」という髙井さん。高校1年生のときに希望進路を学校に提出する際、得意だった理系を希望。これからの情報化社会を考え、卒業後は、東洋大学工学部情報工学科に進みました。

当時、ご両親からの反対はなかったという髙井さん。会長も「継いでほしい気持ちがなかったわけではないけれど、自分の好きな道を進んでほしかった」と懐かしそうに当時を振り返ります。

30歳で決断。いよいよ後継者の道へ

卒業後は、伊勢崎に戻り、コピー機などの販売を手掛ける会社に就職。営業職につきました。髙井さんが担当したのは、新規のお客さま開拓。バブル崩壊後で、業績を上げづらい時代でしたが、足しげく通ってお客さまの心とその奥に眠っているニーズをしっかりつかみ、契約に結び付いたときや、「髙井さんのおかげで、仕事がスムーズに進むようになった」と喜ばれたりしたときは、大きな達成感を感じたと話します。同期の仲間も多く、楽しい雰囲気の中で仕事に励む毎日でした。

一方、会長は髙井さんに「会社を継ぐのかどうか?」の答えを出してほしいと願っていました。
「息子が会社を継ぐかどうかで会社の進め方も変わってきます。今後のことを考えると、早めに返事が欲しかった」のだそうです。

髙井さんは悩みました。もともと人の上に立つのは苦手、トップという立場が自分にとって居心地の良いものではないと感じていたからです。
それでも30歳を目前に思い切って「継ぐ」という決断をしたのです。

お菓子の卸から始まった同社ですが、今は飲料自動販売機関連のオペレーションが主な業務。飲料などのメーカー製品を取り扱い、 自動販売機を通じて商品を提供して維持管理をするというものです。
同社の特筆すべき点は、伊勢崎発展のために「もじゃろー」や「群馬クレインサンダース」のラッピングを施した自販機を設置していくことです。また、自動販売機周辺の清掃や、空き缶・空き瓶の回収などを通して環境美化に務めていたり、売り切れをつくらない努力をしたりしています。自販機の設置場所を提供してくれるロケーションオーナー様に喜んでいただける様なロケーションに合った自販機作りも心がけているそうです。

現在、伊勢崎、桐生、前橋、太田など東毛地区を中心に栃木や埼玉までエリアを広げ、設置台数も伸ばしている同社。今後は「その台数をさらに増やしたい。社員が『この会社に入って良かった』と思えるような会社にしていきたい、そしてなにより地域のお客さまによろこばれる会社にしたい」と話します。

入社して12年、現職に就いて3年目の髙井さん。お父様と同じ職に就くことで、改めてその「すごさ」を感じるようになったといいます。「父は真面目で仕事熱心。私以上に大変な思いをたくさんしてきたと思いますが、その辛さを家族には見せなかった。カッコイイです」と胸を張ります。

過ごしやすい環境で活気あるまちに

学生時代は埼玉で過ごし、都内で就職をする友達も多かったそうですが、髙井さんは迷うことなく群馬に、伊勢崎に戻って就職する道を選びました。それは「群馬が好き、伊勢崎が好きだから」。

「特にこういう点が好き、というのではないのですが、強いて言うなら、生まれ育った町だからかな」と髙井さん。
仕事を離れると、子煩悩なパパ。PTA活動にも積極的です。保育園~小学校と保護者会の活動を通じて伊勢崎や群馬にのぞむのは、子育て世代が過ごしやすい環境づくりです。

人口が増えている伊勢崎ではありますが、そのエリアにはばらつきがあります。群馬にしても同じです。
暮らす場所を決める上で、過ごしやすさは大きなポイント。「人口が増えることは活気につながる。特に若い世代に魅力を感じてもらえるまちづくりで、活気に満ちた伊勢崎、群馬になっていったらいいなと思います」と笑顔で話してくださいました。

企業情報

有限会社髙井商店

住所/伊勢崎市ひろせ町4091-11
TEL/0270-25-3266
事業内容/清涼飲料水の自動販売機オペレーター
営業時間/8時~17時
定休日/日曜、祝日、土曜(隔週)
設立/1949年


平成26年2月

 

応援します商売人!
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!

あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。

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