経営者の輪Vol.247 らーめん髙橋の「髙橋 謙治さん」

経営者の輪Vol.247  らーめん髙橋のオーナー 髙橋謙治さん

今回ご登場いただくのは、らーめん髙橋のオーナーである髙橋謙治さん。元気で朗らかな髙橋さんは、実はレスリングの世界大会入賞者。レスリングを通して学んだこと、犬好きが高じた末の大爆笑エピソード、家族をつないだ今の店舗のことなどをたっぷりうかがいました。

プロフィール

髙橋 謙治(たかはし けんじ)さん

前橋市出身
同市在住

レスリングで全国優勝、世界大会6位入賞の実力者

一日分の野菜が取れそうなほど、さまざまな野菜がたっぷり乗った塩タンメンが人気の「らーめん髙橋」。オーナーの髙橋謙治さんは、人柄がにじみ出る優しい笑顔が魅力です。

髙橋さんが、最初に将来を意識したのは小学校高学年の頃。いつまでも人や社会とかかわっていたいと「定年のない仕事に就きたい」と思ったそうです。

そんな髙橋さんの「人生最大」の転機は、案外早く行って来ました。それが前橋一中時代、レスリング部の顧問・瀬戸先生との出会いです。中学入学直後、入部したのは吹奏楽部。しかし、髙橋さんは小学生の頃、校内で開かれた腕相撲大会で優勝した経験がありました。それを耳にしたのが、レスリング部の顧問だった瀬戸先生。見学の際、先輩とスパーリングをすると、全くの初心者であるにも関わらず、先輩たちに快勝したのです。「今思えば、先生が先輩達にわざと負けるよう言っていたんですね。それに気づかず『強い強い』と言われ、そうかなと思ってしまった」と苦笑します。


そこで鍛えられ、3年生の時の全国大会では準優勝に輝くほど成長。進学先の関東学園高等学校では朝1時間夕方2時間、質の高い練習を重ね、さらに実力をつけていきました。鍛え上げた背筋と、持ち前の体の柔らかさ、そして負けず嫌いの性格がプラスに作用し、高校時代は国内敵なし。オリンピック強化選手にも選ばれ、将来を嘱望される存在に。そして、高校最後の大会も、もちろん全国優勝。世界大会に出場し、6位入賞という栄誉を手に入れたのです。


レスリングを通して学んだのは、人間関係の大切さ。「自由人だったので、レスリングに出合っていなければ、今頃、どうなっていたか」と照れながら話します。


進学した中央大学でもレスリングを続けますが、中学・高校時代とは決定的に違うことがありました。それは練習方法です。指導者の決めたメニューに取り組んでいた中学・高校時代と違い、大学では自主性が求められます。「言われたことしかやってこなかったから、いざ自分で、と言われると困ってしまったのです」と髙橋さん。レスリングへの熱は、次第に冷めていきました。

 

30歳で独立。40歳で新しいチャレンジ

レスリングに代わって、夢中になったのがアルバイト。料理好きな髙橋さんは、洋食屋さんでアルバイトを始めます。大学の講義よりも熱心に取り組んでいたところ、お店は急成長。新たに3つの店舗をオープンすることになり、そのうちの1店舗、スペイン料理店を任せられることになったのです。

このとき髙橋さんは、6畳一間のアパート暮らしでありながら、フェレット、モモンガ、熱帯魚とたくさんの生き物と「同居」していました。あるとき、ペットショップで「目が合って」しまったのが、セントバーナードの子犬。こうなると、飼わないという選択肢はなく、新たな家族として子犬を迎えることとなりました。しかし、子犬とはいうものの、セントバーナードです。当然ながら、あれよあれよという間に大きくなり、アパートで飼える大きさではなくなってきました。これ以上は無理だと判断。ご両親に頭を下げ、たくさんの家族とともに前橋へ戻ってきました。「親父には呆れられました」と頭をかく髙橋さん。ボギーと名付けたセントバーナードは、最終的には70キロにまで成長し、12年の月日を共にしたそうです。

前橋に戻った髙橋さんは、6年間、割烹や居酒屋などの飲食店で腕を磨き、30歳で独立。前橋市内に炭火の焼き鳥と魚料理の店をオープンさせました。地元の人に愛され、順調な経営が続きました。しかし、次第にある変化を感じるようになっていたのです。それは「若い人がお酒を飲まなくなっている」ということ。毎年、髙橋さんの店は、成人式後の二次会会場になっていました。しかし、新成人が飲むお酒の量は、年々、目に見えて少なくなっていました。

そんなとき、知人から「ラーメン屋は安定している」と聞き、方向転換を考え始めます。「洋食屋さんでアルバイトをしていたときにブイヨンの取り方は学んで知っている、ラーメンのスープも基本は変わらないはず」そう考えた髙橋さんは、10年間続いた店を思い切ってたたみ、ラーメン店で修業を始めました。その傍ら、独学でスープづくりを学び、1年かからずに伊勢崎に「らーめん髙橋」をオープンさせたのです。

 

看板を支える家族の絆 

独立してからも、味の探究に余念を許さなかった髙橋さん。食通の知人を捕まえては、意見を聞き、改善を重ねてきました。最初のころは、店に泊まり込んだことも。「味が安定し始めたのは、この2年くらい」だといいます。

らーめん髙橋のスープは、鶏がら100%。透き通って美しく、あっさりしているのにコクがあって、最後の一滴まで飲み干したくなるほど。秘訣は、丁寧な下準備にあります。鶏がらをきれいに洗い、こまめににあくをとることで、鶏がらのうま味を存分に生かした風味豊かなスープが完成するのです。

 

来店客の7割がオーダーするという看板メニューは、鶏がらスープと、貝からとっただしで作る塩だれの美味しさが生きるタンメン。そこに、奥様のご両親がつくる野菜がたっぷり乗ります。「野菜は好きではなかった」という髙橋さんですが、奥様のご両親が作った野菜は別。手作り餃子にもふんだんに使っています。

 

髙橋さんの「人生を変えた」恩師である瀬戸先生が好きだったのもタンメン。「先生に食べてほしかった」とポツリ。ここにも、恩師との縁を感じているそうです。


季節によって具材やスープや、餃子に使うひき肉のひき方まで変えるというこだわりよう。時には、遊び心あふれる「気まぐれらーめん」がメニューに並ぶこともあります。定番メニューのあさりとトマトの塩ラーメンは、気まぐれから生まれた一品。運が良ければ、これからも新しい「気まぐれらーめん」に出合えるかもしれません。


ラーメン店に転身して、一番良かったのは「家族の時間が持てるようになったこと」とニッコリ。3人の息子さんがアルバイトとして手伝ってくれるようになったのだそうです。居酒屋を経営していたころは、息子さんたちも小さく、帰宅したときは3人とも夢の中。なかなか関わる時間がなかったそうですが、今は逆。お店が息子さんたちとの触れ合いの場になっています。

右肩上がりだった売上は、コロナの影響でしばし停滞。「収束後のことを考え、形態を変える必要があるかもしれません」と表情を引き締めます。「店を大きくしようとは思わない」という髙橋さん。「自分の味を求めてきてくれるお客さまに応え、死ぬまで現役を貫いていきたい」と話してくださいました。

企業情報

らーめん髙橋

 

◆住所/伊勢崎市宮子町3635-8

◆TEL/090-6153-8031
◆営業時間/11:00~15:00、17:00~22:00(時短要請中は20:00まで)
◆創業/2017年
◆業務内容/飲食業

 

 取材日 2021年2 月

 

 

 

応援します商売人!
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!

あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。

ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際にお店等に行く方におかれましては、事前に電話等で確認してからお出かけ下さい。記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)


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