経営者の輪Vol.269  株式会社パステラートの代表取締役「小菅浩二さん」

経営者の輪Vol.269 株式会社パステラートの代表取締役・小菅浩二さん

今回、お話を伺うのは肉酒場ロメオを経営する株式会社パステラートの代表取締役・小菅浩二さん。低迷するとカツを入れられるかのように、影響力の強い人と出合い、新たな展開が生まれる小菅さん。山あり、谷ありの人生を、しなやかに、力強く進む小菅さんの半生を伺いました。

プロフィール

小菅 浩二(こすげ・こうじ)さん

桐生市出身

伊勢崎市在住


 

成功しなかった仕事で得たのは、夢を持つワクワク感

「小さい頃は天文学者になりたかったんですよ」と人懐こい笑顔で答える小菅さん。好奇心の塊。何にでも興味を示す小菅さんが、最も夢中になっていたのが空を見ることでした。「好き」が高じて望遠鏡を購入。夜空を眺めてはそのロマンに胸を高鳴らせていたそうです。

小学校の頃から理科と算数も大好き。光の速度から太陽までの距離を自分で計算して割り出したり、ホーキング博士の宇宙論を読んだり、というちょっと変わった子どもだったとか。

 

中学ではサッカー部に入部。片道8.5キロの道のりを頑張って通っていました。桐生商業高校に進学後は、なぜか「今までの頑張りの糸がプツリと切れてしまった」という小菅さん。やらなくても良い自分、打ち込まなくても良い自分を知ると同時に「その落差も知った」と言います。

 

卒業後は、フレッセイに入社。実は小菅さんのご自宅は自営業。小さな頃から働くご両親の姿を見ており、自営業が当たり前と思って育ってきたそうです。会社員にはなったものの「いずれは独立」という思いが芽生えており、自分で始める「何か」を探すための就職だったと言います。

 

変化が訪れたのは、入社3年目。その少し前から誘われたネットワークビジネスに本腰を入れるべく、退職。周りからは大反対されたそうです。

「結果的にはここで何かを残すということはなかった」と言いますが、人生の分岐点になることを経験しました。

それは、夢が叶うのではないか、と思えるワクワク感。さなぎが蝶になるように、自分が変わるという想像。そして「~~たい」という夢を持つことの大切さでした。なりたい自分を口に出して語ることで、変わる自分をイメージすることができたのです。携わったのは、わずか半年でしたが、小菅さんにとって大きな転機になりました。

 

その後数々のアルバイトを経て、葬儀会社に勤務。このときの出会いが小菅さんをさらに大きく変えるのです。


自分が変わったら環境に変化が

在職中にアメリカ出身の友人と知り合った小菅さん。海外に興味があった小菅さんは、彼が帰国するときに「一緒に行くアメリカに行く」と言う約束をしたそうです。しかし、事情があって彼の帰国が見送られることに。それを同僚に話すと「1人で行けば?」。聞けばその同僚はバックパッカーで、アメリカを一周した経験があるのだとか。「先のことは行ってから考えれば?」と言い、次に会ったときにはアメリカ往復の航空チケットを既に用意してくれていたそうです。こうして「行く」以外の選択肢がなくなった小菅さんは単身、アメリカへ。西海岸のサンノゼという小さな街から西海岸を中心に、メキシコからカナダまでを巡ったそうです。

 

ここでまたある大きな出会いがありました。その人は超ポジティブシンキングな日本の女性。「何がしたいの?」と尋ねられ「バーをやりたい」と答えた小菅さんに「やれるよ」と彼女。その彼女はアルバイトを3つ掛け持ちし、1年間で300万円を貯めてアメリカにやって来ていたのだそうです。

「やれるよ。やってないだけ」。その言葉に雷に打たれたような衝撃を受けた小菅さん。お金を貯める環境を作ろうと、帰国後、お給料の良い職場を探しました。その結果、手取り28万円の会社に就職。1カ月8万円で過ごし、20万円を定期積金にするという生活を2年続け500万円貯めることに成功しました。

 

その後、自分の店を開店すべくダーツバーに修行に出ます。数年のバイト生活を経て、食事からカクテルまで作れるようになりました。その間、社員になり店長にまで上り詰めます。増していく経験に反比例するように、自分のお店を持つことへの熱意は下がっていました。

 

もうひと頑張りしよう、と思ったのは35歳の時。きっかけは、奥様です。「かっこいい自分を見せたかったのかも」と照れ臭そうに話します。しかし、モチベーションの高さから離れていた小菅さんは、自分を何から変えたら良いのかわからないでいました。そこで、まずは行動から変えよう、と「やりたい店ノート」を作成。毎朝、コーヒーショップに通い「1日1つでもよい」と、自分が思い描く店のコンセプトや必要な機材などを書き続けました。すると、気持ちもどんどん前向きに。今のお店を辞めて、自分でやっていく決意を固めました。

 

1ヵ月半後、変化が訪れます。当時の社長から呼ばれ「この店を畳もうと思うが、お前やるか?」と声をかけられたのです。渡りに船とはまさにこのこと。絶好のチャンスです。

「意識を高く持つことで、環境を与えられた」と小菅さん。

機材や備品を譲り受け、事業計画書の作り方も教えてもらったそうです。この時、もう一つ教わったことがありました。それは「ビジネスを始めるときは、すべて借金してやる」ということでした。そして、ビジネスで得たもので返済をする、自分の手持ちのお金には手をつけるな、ということでした。個人で事業を始めると、どうしても事業と個人のお財布は一緒になりがち。そこをしっかり分ける。そして、それだけビジネスに真剣になれ、というわけです。

 

店長を務めていた小菅さんは、もし自分がやるのなら、と集客の方法や収益を上げる方法を常々考えていたそうです。譲り受けたお店でそれを実行していくと、狙い通り集客も上がり売り上げもあがり始めました。5年前にいよいよ法人化するのです。


コロナは神様からの愛の激励⁉

法人化をきっかけに、小菅さんは、2つの大きなことを変えようと考えていました。

 

1つはアピールの方法です。前の店舗は横文字の冠に、横文字の店名。大通りに面した店舗は、抜群の立地でしたが、大通りゆえ、車は目の前の道をあっという間に過ぎ去ってしまいます。「時速50キロで走っていたら、この看板は目に入らない」と思っていた小菅さん。どんなお店で、ここへ来ればどんなものが食べられるのか、と瞬時にアピールでき、多くの人に認知してもらえるよう、考えた冠が「肉酒場」。確かに、お肉とお酒が楽しめるお店だというのが一目瞭然です。店名は、分かりやすく印象に残る「ロメオ」としました。

 

2つ目はメニュー。冠どおり、お肉とお酒を充実させました。多種多様なお肉料理に、500種類800本以上の充実ぶりを誇るお酒。特にウイスキーは250種類、ジンやテキーラはそれぞれ50種類にも上るそうです。小菅さん自身、テキーラマイスターの資格も取得。希少価値の高いお酒も数多く揃えています。

 

3つ目が接客です。同店ならではの、フレンドリーな対応を心がけたそうです。

 

その結果、コロナ前までは開店以来赤字なし。収益は常に右肩上がりだったといいます。

「コロナが続き、最近少しワクワク感が落ちている」と自分を分析することで「これは神様が与えてくれた試練なのでは」と考えるようになったそうです。

「このままではダメ、もっと考えろと、神様が立ち直る機会を与えてくれているんじゃないかと思うんですよ」とニッコリ。

緊急事態宣言が続き大変なことが多いですが、ワクワク感を大切に、さらにお客様に喜んでいただけるお店作りを考え続ける小菅さん。今後のお店がますます楽しみになりますね。


企業情報

株式会社パステラート

 

◆住所/(肉酒場 ロメオ)伊勢崎市宮子町3400‐3

◆TEL/0270-70-4123

◆創業/2015年

◆法人登録/2017年

◆営業時間/17:00~25:00、金土祝前17:00~27:00 ※コロナ前

◆休日/火曜

◆業務内容/飲食業

 

 取材日 2021年9 月



 株式会社パステラート 肉酒場ロメオ はこちら

 

 

応援します商売人!
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!

あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。

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