経営者の輪Vol.288 協同組合アイビーの事務局長「石原めぐみさん」

経営者の輪Vol.288 協同組合アイビーの事務局長 石原めぐみさん

今回、お話を伺うのは、協同組合アイビーの事務局長・石原めぐみさん。台湾での実習生活のこと、現在のお仕事のやりがいや将来の夢についてお尋ねしました。



プロフィール

石原 めぐみ(いしはら・めぐみ)さん

南牧村出身

伊勢崎市在住






 

短大時代、台湾へ9カ月留学

高齢化率日本一と言われる一方で、移住を希望する若い人から人気の南牧村。この南牧村は、石原めぐみさんの故郷です。同級生は18人で小学校も中学校も一緒、村の人はみんな顔見知り。密度の濃いコミュニティーは、優しく温かい反面、濃密すぎて窮屈に感じることもあります。まさに中学生の頃の石原さんがそうでした。

 

「決して村が嫌いなわけではありませんでした。でも…」と石原さん。富岡東高校(元富岡高校)に進学すると、今までと生活も環境も一変しました。通学時間は、片道2時間。家へ帰ってくるだけで精一杯だったそうです。それでも少しずつ世界が広がると、石原さんの心は「小さなコミュニティーの外」に向き始めました。

 

3年生の時、富岡市に引っ越し。外国語に興味があった石原さんは漠然と「中国語を学びたい」と考えるようになっていました。そこで台湾への短期留学がある新島学園短期大学中国語学科に入学。1年時には念願の留学を果たします。親日国で、当時大陸の影響を受けていなかった台湾は自由な雰囲気が漂っていました。

 

留学生専用の寮に住み、ヨーロッパやアジア諸国の留学生と大学で学ぶ以外に、一緒に出掛けたり、ご飯を食べに行ったり。慣れなかった中華料理はじきに「どれを食べてもおいしい」と思うまでになりました。

特に印象に残っているのは、実習です。中国語の勉強をしながら中華料理を作るというもので、語学と文化の両方が同時に学びます。「その時初めて本場では焼き餃子ではなく水餃子が主流と言うことを知りました」と笑う石原さん。その餃子も皮から作る本格的なものだったそうです。


結婚を機に移り住んだ伊勢崎で出あった天職

卒業後、地元のゴルフ場に就職。フロントや会員の管理をしているうちに「人と接するのが好きな自分」に気づいたそうです。

 

5年後、結婚を機に伊勢崎へ。子育て中の石原さんが、現在の勤務している協同組合アイビーに会ったのは、今から3年前のこと。求人誌を見ていて目にとまったのが、事務職を募集していた同組合でした。

 

協同組合アイビーは、外国人技能実習生の受入れをサポートする登録支援機関。技能・技術・知識の習得のための環境を整えて、国内や開発途上地域の経済発展を担っています。

 

結婚後、事務職についていたことがあったものの、同組合の事務職はちょっと特別。「やることなすること全てが初めてでした」と振り返ります。石原さんの主な仕事は、在留資格の管理や、組合員である企業さんとのやりとり。「最初は、組合員さんとの信頼を一から築きあげることが大変でした」と言います。

 

わからないことは自分で調べたり、長い経験を持つ代表理事に聞いたりして、一つずつクリアしていきました。法律に関する専門的なことも多く、しんどいと思ったこともあったそうですが、根気強く繰り返しているうちに徐々に楽しいと思えるようになってきました。

 

「一番のやりがいは、実習生の成長した姿が見られること」と明るい笑顔で話します。初めは不安そうだった実習生たちが、技術や知識を身に付けるにつれ、自信に満ちた表情に変わり、母国へ帰っていく様子に頼もしさを感じます。「また日本で働きたい」と連絡をもらえることも、大きな喜びにつながっています。


3年後に自ら歩める人材育成を目指して

昨年の9月からは事務局長に就任。オファーを受けたときはビックリしたそうですが、ワークライフバランスをとりながら「自分にできることをしよう」と、引き受けたそうです。

 

事務局長になって仕事の内容も変わりました。一番の違いは、スタッフのマネジメントや、組合員である企業とのやりとりが増えたこと。外国人技能実習生が働きやすい環境を作るのは、同組合の大切な仕事です。石原さんは、そのために企業とコンセンサスを取る機会が増えていきました。

 

現在、同組合が受け入れている外国人技能実習生は約460人。インドネシアやベトナム、タイからの方が中心です。

コロナで実習生を取り巻く状況もまた大きく変化しました。やむを得ず解雇になってしまった実習生も少なくなかったそうです。困っている実習生のために、同組合では代表理事の意向で、住む場所を無償で提供し、新しい会社をマッチングするなど、サポートを続けています。

 

石原さんたちが目指すのは、3年後に自分で歩むことのできる人材育成。希望者にはオンラインで日本語の学習サポートも行い、実習生たちのさらなる可能性を広げるお手伝いもしています。

 

現在スタッフの多くは海外出身者で、日本人は2人だけ。「通訳さんには感謝してもしきれない」と微笑む石原さんですが、短大時代に身に付けた中国語も役立っており、事務所内では日本語、中国語、英語が飛び交っていると楽しそう。

 

これからは「代表理事が進めている多文化共生の会を広めるために力を発揮したい」という石原さん。違いを知り、尊重し合う―― 石原さんの思いは、人の知識や見聞を広げ、豊かな社会をつくっていきます。


企業情報

協同組合アイビー

◆住所/伊勢崎市太田町720-2

◆TEL/0270-61-9898

◆設立/2001年

◆営業時間/8:30~17:30

◆休日/土曜、日曜、祝日

◆業務内容/特定技能ビザで働く外国人の受け入れのサポート





 

取材日 2022年3月


 

 

 

 

応援します商売人!
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!

あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。

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