経営者の輪Vol.348  御酒家しゅう のマスター 周東季之さん

経営者の輪Vol.348 御酒家しゅう マスターの周東季之さん

今回、お話をうかがうのは御酒家しゅう のマスター、周東季之さん。独立を考えるようになったきっかけ、コロナの真っただ中に起業し大変な中を乗り切ったお話、「おかわり」続出というほどの人気を誇る「特製から揚げ」の秘密も教えていただきました。

プロフィール

周東 季之(しゅうとう・としゆき)さん

桐生市出身

伊勢崎市在住

就職を機に伊勢崎へ

高校卒業まで桐生で過ごした周東さん。就職をきっかけに伊勢崎にやってきました。就職先は、プラスチックの総合メーカー。食品包装容器や日用品、工業部品や医療関連品など幅広い分野のプラスチック製品をつくっている会社です。配属になったのは、押出成形チーム。すべての製品の大元をつくる大切な部署です。ここで原料を混ぜ合わせて溶かしたプラスチックを、1040ミリ幅のシート状にしていくという仕事を担っていました。それぞれの完成物によって求められるプラスチックの薄さはまちまち。0.2ミリ~0.8ミリの間の千分の一単位という繊細さだったそうです。

 

どうやって薄さを変えるのでしょう? 実は、流れてくる樹脂は一定。巻き上げるスピードを調整することで、薄さを変わるのだといいます。「機械の癖を読みながら調整をしていくのが大変だった」と周東さん。ここまでの薄さになると当然、目視ではわかりません。一枚のシートの中でムラがないよう、マイクロメーターで計測していたのだとか。とってもデリケートなお仕事ですね。

 

そんな中でも自分でやり方を考えたり、できなかったことができるようになったり、後輩たちが成長していく様子を目の当たりにしたりするのは大きな楽しみでした。

コロナ真っ只中に独立~開店

20代半ば、収入面の充実を考えた周東さんは、終業後に市内の居酒屋でアルバイトを始めます。ホール~ドリンク作り~厨房での調理、とできることが増えてくると、今まで見えなかったところが見えてくるようになりました。

 

アルバイト先の居酒屋は、収容人数の多い大型店。効率のよい運営や人材の配置など「自分だったらこうするのに」と考えるようになり、独立に必要な知識を得ようと独自に学び始めていました。

副業禁止の会社だったそうですが、周東さんがダブルワークをしていることは、周りのみんなが知っていたとか。先輩に独立のことを相談すると「今はやめておいた方が良い」「会社に残った方が賢明」と反対する声が圧倒的に多かったといいます。そんな時、尊敬していた上司が病死。一度きりの人生、自分のやりたいことをやってみようと、思い切って退職します。2020年、夏のことでした。

 

その頃の世界は、コロナの真っ只中。対処法も今のようにわかっておらず、世の中は混乱していました。飲食時の感染に関する報道がなされたこともあり、飲食店の閉店が相次いでいる頃でした。「逆にチャンスだと思った」と周東さん。読み通り、理想的な店舗を見つけることができました。

 

誰もがハッピーになれる「御酒家しゅう」

しかし「コロナをなめてました」と苦笑。時短営業、休業要請など、飲食店にとって厳しい状況が突きつけられたのです。店が開けないならと、お弁当を販売。「開店したばかりで知名度もなく、苦戦した」と振り返ります。友人・知人が協力してくれましたが、それだけでは売り上げは厳しく、自ら営業の電話をして受注につなげるなど努力を重ねていきました。

 

2022年にはキッチンカーでの販売もスタート。トラックを購入して作り替えたというオリジナルのキッチンカーです。出店先は、イベント会場や公園など。スピーディーな提供がお客さまに喜ばれ、存在を広く知らせるよいきっかけになりました。

 

コロナが五類に移行した今、周東さんのお店「御酒家しゅう」は盛況。20代から70代、中には80代もいらっしゃるほど幅広い層から愛されています。店内は「レトロ」をモチーフにした、懐かしさを感じる居心地の良い空間。カウンターがあり、1人でもふらりと立ち寄れるのが嬉しいですね。

 

メニューは、約60種類位のレギュラーと10種類のその日のオススメ。中でも1番人気は、拳半分ほどもある大きな「伊勢崎一うまい特製唐あげ」です。衣はサクサク、中身はふっくらと柔らかで口当たりはあっさり。「おかわり」の声も聞かれるほど好評です。秘密のひとつは胸肉を使うこと。さらに脂身を丁寧にそぎ落とすことで、臭みがなくあっさりと仕上がるのだそう。粉はブレンドをしたオリジナルのものを使用。油切れが良く、サクッとした歯触りになるのだそうです。うーん、おいしそう! 

 

周東さんが、大切にしているのは「他人にされてイヤなことはしない、されて嬉しかったことは人にもすること」。その信念は貫いていきたいと話します。特に喜んでもらうのが好きで「誰かにプレゼントを選んでいるときが最もワクワクする」と優しい笑顔を浮かべます。根っからの「喜ばせ体質」の周東さんが腕をふるう「しゅう」。訪れた誰もがきっとハッピーになれそうですね。

企業情報

御酒家しゅう


◆住所/伊勢崎市宮子町3413-13

◆電話/080-2135-7599

◆創業/2020年

◆営業時間/17:00~24:00

◆休/日、臨時休業有

◆事業内容/飲食業、キッチンカーの運営

 
 
 
 
取材日 2024年2月

応援します商売人!
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!

あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。

ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際にお店等に行く方におかれましては、事前に電話等で確認してからお出かけ下さい。記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)


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