経営者の輪Vol.368 株式会社T・Mコーポレーション(すし割烹とみ岡)のご店主 富岡裕之さん

経営者の輪Vol.368 株式会社T・Mコーポレーション(すし割烹とみ岡)のご店主 富岡裕之さん

今回、お話を伺うのは、すし割烹 とみ岡のご店主でホールマネージャーでもある株式会社T・Mコーポレーションの富岡裕之さん。東京・銀座や世田谷の寿司店での修行時代のこと、独立して構えた「とみ岡」の特徴などを伺いました。

プロフィール

富岡 裕之(とみおか ひろゆき)さん

伊勢崎市出身

伊勢崎市在住

都内の寿司店に就職の夢かなう

伊勢崎市民プラザから徒歩3分のところにある、すし割烹とみ岡。同店でご店主を務めているのが、富岡裕之さんです。

 

小さな頃から夢は、料理人。そのきっかけとなったのが、プリオパレスで料理人をしていたお父さまでした。時々、お母さまに連れられてプリオパレスを訪れると、高いコック帽と真っ白なコックコートに身を包んだお父さまを見ることができました。その姿に憧れ「将来はコックさんになる」と決めていたそうです。

 

お父さまは料理人の良さを知る一方、大変な面もよくご存知。将来、自分と同じ道を目指す富岡さんに「やめた方が良い」と言ったそう。ところが、中学や高校になっても夢がブレなかったどころか「寿司店をやりたい」と夢がより具体的になったことを知ると、一転。応援してくれました。当時、富岡さんが通っていた高校には、4社の寿司店から求人が来ていました。その中で特に気になった都内の寿司店に就職が決まりました。

憧れの東京・銀座で寿司職人修業

卒業後、東京・世田谷にある寿司店に入社。店舗は2店舗。職人さんは合わせて40人近くにも上りました。同期は6人。全員が同級生でした。

お寿司屋さんと言うと、職人さんの上下関係が厳しそうな印象があります。「素っ気ない態度をとられたり、包丁の峰で叩かれたりなど、私が入社する少し前まではあったと聞きます」と富岡さん。ところが、就職した時代はそのようなことはなく「楽しく学ばせてもらいました」と振り返ります。

 

寿司職人になりたいと思ってはいたものの、家では料理をしたことのなかった富岡さん。逆に「知識はない方がいい」と言われ、包丁の握り方から教わったそう。魚の骨抜きや青魚の手開きなど、少しずつできることが増えていきました。仕事が終わると、新聞紙を海苔に立てて何度も巻き物の練習をしたそうです。

 

お店は、カウンターのみ。一人の職人さんが、目の前に座った4~5人のお客様の対応をします。初めて先輩のアシストをしたときは「手が震えました」と苦笑します。

 

慣れ親しんだお客さまは、お気に入りの職人さんを指名します。多くのお客さまから指名される先輩に羨望を抱くものの、実際に指名をいただくようになると、その気持ちは変わってきたと言います。

 

「目の前のお客さまに、気持ちのうえで差をつけたくなかった」と富岡さん。注意はしていても、指名をいただいたお客さまとそうでないお客さまだと、指名をいただいたお客さまに気持ちは向きがち。しかし、どちらもお客さまであることに変わりはありません。いらしてくださったすべてのお客さまには、同じ気持ちで向き合いたい、そして最高の寿司を味わってほしいーー、このときの気持ちは今も富岡さんの中に生き続けています。

 

銀座で寿司を握るのが夢だったという富岡さん。築地の人気店が銀座に新しいお店を出すため、求人を出していたことから応募。見事に採用されます。この店は、お勤め帰りや接待などで利用されることが多く、海鮮物のつまみから握りを注文されることが多かったそう。

 

3年ほど務めた後、現在、とみ岡の女将を務める奥様から「お父さんと一緒に調理場に立つのが夢だったのではないの?」と言われました。「以前にポロリと口にしたことを覚えていてくれたんです」と富岡さん。お父さまもその気でいてくれたことが分かり、伊勢崎で寿司店を出すことに決めました。

震災直前にオープン

こうして、すし割烹とみ岡をオープン。2011年3月3日のことです。そのわずか8日後、東日本大震災が起こるのです。計画停電が続いて、店舗運営もままならず、宣伝もできない日が続きました。

 

ようやく軌道に乗り始めたのは、開店から1年後。とみ岡の自慢は、なんといっても新鮮なネタです。東京時代のつながりを生かして、食材は豊洲から直接仕入れ。「その日限り」のメニューもあり、いつ訪れても新しい味に出あえます。

 

ランチの人気は握りセット。小鉢3種・味噌汁・茶碗蒸し又は和スィーツまで付く充実ぶりです。限定10食のランチ懐石は、にぎりの他、お刺身や天ぷら、茶わん蒸しや汁物などが付く豪華な品。見た目に美しく、上品で女性にも人気です。

 

夜、ほとんどのお客さまがオーダーするというのが「だしサラダ」。生野菜や揚げ野菜など、たっぷりのお野菜に、かつおベースの出汁をかけていただく同店のオリジナルです。

 

最大収容人数100人という店内は、カウンター、お座敷、小上がり、椅子席と、どんなメンバーと訪れてもぴったりなお席がご用意されています。

 

これからは「カウンター席を増やしたり、旬のものをさらに取り込んだりと挑戦を続けたい」と話します。

 

お休みの日は、奥様と買い出しに。奥様とは、仕事で意見が異なることはあるものの、プライベートではケンカをしたことがない、のだとか。

 

ご夫妻の仲の良さが「とみ岡」の穏やかなお店の雰囲気となって、お客さまを優しく出迎えます。

企業情報

株式会社T・Mコーポレーション(すし割烹 とみ岡)

 

◆住所/伊勢崎市富塚町256-1

◆TEL/0270-61-9161

◆創業/2011年3月

◆営業時間/11:30~14:00、17:00~23:00

◆休日/月曜(祝日の場合、火曜)

◆事業内容/飲食業

 

URL  http://sp.raqmo.com/tomioka/

 

すし割烹 とみ岡はこちら



取材日 2024年8月



応援します商売人!
今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ!

あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。

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