経営者の輪Vol.97 「平澤屋 小池 克弥さん」伊勢崎市東本町

Vol.97 平澤屋 小池 克弥さんの巻

今回は、伊勢崎市東本町にある「平澤屋」の小池克弥さんをご紹介します。

プロフィール

小池 克弥(こいけ かつや)さん。昭和51年3月31日。

伊勢崎市東本町出身、伊勢崎市東本町在住。

小池克弥さんは、市内東本町にある和菓子店・平澤屋さんの3代目。お祖父様から子守歌のように何度も聞かされた将来への期待、東京下町にある大手和菓子店での貴重な体験などをお話いただきました。

祖父の膝の上で大きな愛情と共に託された期待

端正な顔立ちに穏やかな物腰。小池さんは、昭和10年創業の和菓子店「平澤屋」さんの3代目です。「小学生のころから漠然と、店を継ぐんだろうな、と考えていた」という小池さん。そのルーツは、幼少期に遡ります。

まだ小さかった小池さんが「平澤屋」創設者のお祖父様の膝の上に座ると、お祖父様はよくこう話したそうです。「将来は(小池さんが)お店を継ぐんだよ」と。大きな愛情と共に向けられたこの言葉は、知らず知らずのうちに小池さんの中に染み込んでいきました。

お店が忙しい時期、小学生になった小池さんは、自然と小豆を洗ったり、もち米をといだりと手伝いをするようになりました。こうして、少しずつ和菓子作りを体で覚えていったのです。

東京の製菓学校へ進学就職は大手和菓子店へ

小池さんに将来の夢を託したお祖父様は、小池さんが中学生のときに逝去。中学・高校の多感な時期も重なって「お店を継ぐ」意識は、薄らいでいたとか。再び、和菓子への思いが首を持ち上げ始めたのは、進路を考えるようになった高校3年生のときでした。

「せっかく学ぶのなら、高度な技術をたくさん学べる刺激あるところへ」と、さまざまな資料を取り寄せて学校を検討した結果、東京の製菓学校へ進学。同時に一人暮らしを始めました。

実家がお店、常に誰かが家にいるという毎日を過ごしていた小池さんにとって、一人暮らしは全くの異空間。自分が動かなければ電気ひとつつかない環境を苦痛に感じることなく、むしろその違いに新鮮さを覚えたそうです。昼間は学校、それが終わると生活費を稼ぐためにアルバイト、と充実した2年間を送りました。

就職先に選んだのは、東京北千住の大手和菓子店「喜田屋」。最初に任されたのは「どら焼き」です。はじめのうちこそ先輩の職人さんが教えてくれたものの、すぐに事実上、責任者的立場に。「皮を焼くときの火加減が難しくて失敗もしましたが、3カ月経つころにはカタチになってきました」。「それでも」と小池さんは続けます。「見た目は確かにどら焼きにほかならないけれど、今思えばレベル的にはどうだったのかな? と思いますね」と。そのころの小池さんはレベル云々を考える余裕がないほど、必死になって仕事に取り組んでいたのです。

その後、焼き菓子、生菓子など、ひと通りの和菓子作りを経験した3年後、実家である「平澤屋」さんからお呼びがかかりました。

お客さまの声を励みに

和菓子の作り手として平澤屋に戻った小池さんは、生まれ育った場所であるはずなのに大いに戸惑いを感じたそうです。 「平澤屋も喜田屋も同じ和菓子店、つくっている品も大きく違わないはずなのに全く別もののように感じました」と小池さん。

修業先の喜田屋では、ただひたすら「作る」に徹する毎日。一方、平澤屋では作るに加えて接客・販売など何でもあり。少しずつ接客にも慣れてくるとお客さまの反応が楽しみになってきました。「こちらのお菓子を持っていったら『おいしい』って喜ばれた」「お客さまからいただいたんだけど、おいしいから自分で買いに来た」などの声は、小池さんにとって大きな励みになります。

さまざまな種類の和菓子制作に携わる小池さんですが、一番好きなのは「上生菓子」。流れに追われず、じっくりと取り組める上生菓子の制作は、ご自分の性格にも合っているのだと話します。和菓子づくりのヒントを得るのは、やはり自然の美。忙しくてなかなか自然に触れられないときは、花の図鑑などを見ながらイマジネーションを高めるそうですが「やはり、本物の自然が一番心に残りますね」と、自然の偉大さを語ります。

これからの目標は、今ある品の精度をあげ、全体的なレベルアップに取り組むこと。時折、弓道で気分転換を図りながら、お菓子の味覚と美しさを極める「和」のホープです。

店舗情報

平澤屋

◆住所:群馬県伊勢崎市東本町378-1
◆TEL:0270-25-1306
◆営業時間:8:30~20:00
◆定休日:月曜日
◆業務内容:和菓子製造、販売

取材日 平成20年8月

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あのお店・会社のあの人を連載で御紹介します。
アイマップでは連載企画として、「応援します商売人!今こそフロンティアスピリッツを発揮せよ」と称し地域の企業人・オーナーさん達をご紹介していきます。 また次の方は、ご紹介を頂くという経営者の輪方式をとらせて頂きます(笑) この企画を通じて、少しでも地域の皆さんに地元のお店や企業、そしてそこで働く人達を知って頂ければ と思っています。またそれが僅かでも売上増やビジネスチャンスに繋がれば幸です。

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